当番世話人挨拶
当番世話人 渡邉 良二
糸島医師会病院 乳腺センター
この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)蔓延に際しお亡くなりになりました方とご家族に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、療養中の皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、医療関係者におかれましては、ご辛労の日々を過ごされていることと存じます。コロナが一日も早く終息することを願っています。
この度、第30回日本乳癌画像研究会の当番世話人を拝命し、大変光栄に存じます。また、本研究会を開催するにあたり多くの方々のご助言と帆尽力を頂きましたこと、この場をお借りして、心より御礼申しあげます。
今回、福岡市のアクロス福岡において適切な感染対策を心掛けながらハイブリッド方式で開催すべく鋭意努力をしてまいりましたが、コロナ感染が急速に拡大し、主要都市ならびに福岡県に緊急事態宣言が再発令される状態になり、やむなく研究会直前ではありますが、WEB方式での開催形態へ変更することになりました。
乳癌の画像に関する進歩は、昨今めざましいものがあります。AIを含め最新情報には、新しく取り入れるべきもの、新しくてもすぐに取り入れず今までのやり方を変えない方が良いものもあると思います。そこで、今回のテーマは「画像を極める」と致しました。本研究会では、日本を代表する一流の講師陣によりシンポジウム、パネルディスカッションならびに共催セミナーの形式で、マンモグラフィ(MG)、超音波、MRIの読影の基本を極め、AIや新しいモダリティ等の最新情報に関する知識も得られる講演を企画しました。
教育講演では、『日本の乳がん検診における有効性評価の変遷と今後の課題』についてご講演頂き、特別講演では、『過去に類をみない感染症が医療/社会に及ぼす影響』についてご講演頂きます。コロナ禍での感染症に対する医療人の心構えを学べると確信しています。
セミナー1と2ならびに4では、診断を極めるための画像処理(汎用機での工夫)では、MG、超音波、MRIの汎用機で画像診断を極めるための画像処理の基本や工夫等を第一線で御活躍されている先生方に解説していただきます。セミナー3では、乳癌撲滅のための教養講座として、『画像診断の基盤となる病理診断』、治療の基盤となる病態探究として『浸潤癌へのメカニズム』を実際の感動的な動画で解説して頂きます。さらに、『癌幹細胞の治療抵抗性機構と治療戦略』をご講演頂き、乳癌の診療をする上での重要な基礎知識を得られること確信しています。
シンポジウムでは、MG、US、MRIの画像診断を極めるために、経験豊富な読影のエキスパートの先生にご講演頂きます。
パネルディスカッションは、①新しいモダリティ、②石灰化へのアプローチ、③総合診断の実際について熱く語っていただきますので、明日からの日常診療にきっと役立つものばかりと思います。また、パネルディスカッション④のAI(人工知能)による画像診断最前線では、乳癌画像AIの基礎ならびに最近の動向、MGやMRIへの応用だけではなく、病理診断におけるAIの現況と展望もご講演頂きます。今後、目覚ましい進歩を続けるAIの全体像がわかる見逃せない内容です。
ライブデモンストレーションでは、超音波の操作、インターベンションを確実にするためのコツをわかりやすく解説して頂きます。画像クイズでは、MGのトモシンセーシス、超音波(ABUS)、MRIのクイズ症例を経験豊富な先生方に作成していただき、画像診断を楽しんでいただきたいと企画しました。さらに、特別企画として診断に難渋した症例では参加される皆様と診断のコツを共有したいと思います。最後に、一般演題も40題を超える多数の登録をいただきました。
主題セッションだけではなく一般演題の演者の先生方と企業ならびに多数の関係者の皆様のご協力で、画像診断に携わる初学者や中級者のみではなく上級者に至るまで参加された方の日常診療に役立つための研究会となることを確信しています。
当日の視聴ができない皆様におかれましては、上記の全ての講演内容を、一部を除きオンデマンド配信で視聴できるように致しますので、多数の皆様のご参加をお待ちしております。
令和2年10月吉日